連載 わたしのため・からはじまる在宅介護・15【最終回】
わたしのためから,あなたのためへ
川口 有美子
1
1NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会
pp.220-221
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100410
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ALSのゆく年くる年
昨年暮れ,在宅療養を始めたばかりの50代女性患者さんを訪問しました。吸引や夜勤をしてくれるヘルパーが見つからず,さくら会の研修会に新人を求めに来られた夫君のSOSを受信し,日本ALS協会支部の3名で見舞ったのでした。
瀟洒な一軒家。でも居間を占領する介護用ベッドの収まり方はいずこも同じ。ご親戚がおせち作りに台所に立っておられました。しばしご家族のやりとりを観察。思っていたよりも「OK」なので胸をなでおろしました。そしてゆっくり問題の所在をうかがったところ,「24時間,ヘルパーで埋まらない」という答え。夫君は会社勤めがあるのでケアできない,介護者をできるだけ確保したいということでした。ケアプランを見せてもらったところ,週3日も協会の運営委員のご家族が夜勤に入っているではないですか! 日中は介護保険と自立支援法を組み合わせてかなり自費も出ているけど,思っていたほどスカスカではない……。
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