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I.はじめに
未熟児の眼の管理には,眼底のみならず前眼部の管理も含まれるが,本稿においては眼底の管理に関するわれわれの成績を報告する。眼底の管理において最も重要な対象は,申すまでもなく未熟児網膜症である。本症は未熟児に対する酸素の投与制限によつて,その発生率が著しく低下し,往年ほどには眼科医の関心を呼ばなくなつてはいるが,Avery1)は酸素を制限するようになつてから,未熟児の死亡率が上昇してきたことを指摘しており,小児科医は特発性呼吸障害症候群idiopathic respi—atory distress syndrome (IRDS),その他呼吸障害のある児には,生後数日は高濃度の酸素を与えることが必要であると考えているので,Patz2)が述べているように再び未熟児網膜症が増加する可能性は否定できない。未熟児の動脈血PO2が150〜160mmHg以下であれば網膜症発生の危険はないといわれているが,動脈血PO2の経時的測定は現状ではすべての病院で容易に行なわれ得るということではないので,眼科医による眼底の観察は依然として未熟児の管理の中で重要な部門の一つである。われわれの病院においても,眼科医による眼の管理が行なわれており,最近の成績を報告する。
After the danger of an atomosphare rich in oxygen had been realized, the retinopathy of prematurity (retrolental fibroplasia) has almost disappeared except for an occasional occurrence. However, Avery et al. (1960) showed a higher mortality in premature infants cared for from 1954 to 1958 when oxygen was curtailed com-pared to the period of 1944 to 1948 when oxygen was used liberally. In recent years pediatricians has come to realize the high mortality from respiratory distress and infants with respiratory distress receive high concentration of oxygen for several days after birth.
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