疾患の病態と治療 日常診療の再検討
未熟児管理
松尾 保
1
Tamotsu Matsuo
1
1神戸大学医学部小児科学教室
pp.453-457
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205626
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近年,未熟児の生理や病態に関する著しい研究の進歩とともにME (Medical Electronics)の導入,呼吸管理の発達により,わが国の未熟児医療も大きく改変した。すなわち,未熟児の保育環境の適切化を主眼とする従来の医療よりも積極的な治療"新生児ICN (Intensive Care Nursery)的治療"が未熟児施設の中にとり入れられ,未熟児医療の水準が高度化したとはいうものの,施設での保育設備,検査設備および診療スタッフが万全であるところはほとんどないのが現状である。
一方,High risk pregnancyあるいはHigh risk infantという新しい概念が生まれ,このような高危険因子をもって出生した児でも早期より適切な管理により児を救命し得るのみではなく,脳障害の発生をも未然に防ぎ得る可能性が大である。そこで,未熟児を含めたHigh risk児の管理および未熟児にみられ易い症状とそれに対する治療の概略について述べる。
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