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Ⅰ.緒言
眼科において,欝血乳頭と診断されたために,脳腫瘍が発見されることは,しばしば経験するところであるが,最近,脳神経外科の発達に伴い,偽視神経炎を欝血乳頭と診断して,脳外科に紹介されてくる症例や,原田氏病初期眼底の乳頭像を,欝血乳頭と診断したために,脳腫瘍を疑われて,その治療を行なわんとした症例があることをときおり見聞する。これはその眼底像の鑑別が,初期においてやや困難なためであるかもしれない。
螢光眼底撮影法による初期欝血乳頭の鑑別については,すでに1965年Miller1)らによつて試みられているが,今回,われわれは,以前,虎の門病院において,初発病変として欝血乳頭様の眼底像を呈したために,脳腫瘍を疑われた原田氏病の症例(第1,2例)を紹介し,さらに螢光眼底撮影法がこれらの鑑別にある程度役立つのではないかと考え,2〜3の疾患に応用してみたので,欝血乳頭の鑑別のさいにおける螢光眼底撮影法の価値について述べたいと思う。
Exact diagnosis of early papilledema is of-ten difficult as it has to be differentiated from similar conditions as pseudoneuritis or Morbus Haradai in its eary stage. The authors attem-pted to define the characteristic fluorescein features of early papilledema which might serve as differential criteria for similar condi-tions mentioned above.
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