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特集 第13回臨床眼科学会号
一般講演
脳腫瘍の眼症状について特に欝血乳頭の頻度について
Ophthalmic symptom of the cerebral tumor (frequency of papillo oedema)
浦田 誠康
1
Nobuyasu Urata
1
1九大眼科
1Dept. of Ophth., Faculty of Medicine, Kyushu University.
pp.243-248
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206561
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I.緒言
中枢神経系障害に際して,その眼症状は極めて重要な所見であり,時には眼症状が唯一無二の臨床所見として認められる事があるのは,既に衆知の通りである。古来,中枢神経系疾患に際し,その眼症状は重要視されているが,所謂脳腫瘍に就て,臨床所見に依らず,手術又は剖見によつて,此れを確認した多数症例に就ての眼症状の報告は,吾国に於ては,柳田,斉藤,勝沼,水田等を数えるのみで少い。
鬱血乳頭は中枢神経系疾患の眼症状として屡々吾々の経験する症候であるが,その成因に就ては,炎症説,静脈鬱血説,淋巴鬱積説等があつて異論が多い。又然も鬱血乳頭は脳腫瘍の三大主要症候の一つであり,脳腫瘍の眼症状として,又症候学上からも甚だ重要な症状である。それで私は手術又は剖見によつて,脳腫瘍と確認し得た症例110例に就て,総括的に眼症状を記載し,特に鬱血乳頭を呈した症例60例の眼症状を記載し,全身所見との関係を考察し,且此等の臨床所見より鬱血乳頭の成因に就て検討を加えたので報告する。
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