銀海余滴
"臨眼ジュニア"の発刊を望む
内藤 慶兼
1
1松坂屋内藤眼科
pp.651
発行日 1967年5月15日
Published Date 1967/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203654
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最近の"臨眼"誌を拝読しますとなかなかご有益な記事ばかりで非常に勉強になります。しかしながら,どうもその傾向は学術誌に近くなってきた感じが致します。勿論学術論文も必要なのですが,最近の学会の様相では,細分化されているようなので,非常に専門的すぎ,眼科部門の内でも,少し専門を離れますと,よく理解出来ない点も出てまいります--これは私だけの問題かもしれませんが。本来学術論文というものは,"日眼"誌や,"日眼紀"誌のような学術専門誌に掲載さるべき性質のものと思われますが,昨今のように日本眼科学会の他に,臨床眼科学会,各地部会,集談会等々,学会や医会が多くなりますと,また学会には発表されない論文もありますので,とても論文をさばききれず,"臨眼"誌の方に回ってくるかと考えられます。集談会も元来は,開業医が集まって,こんな面白い例があったと,茶話会程度のものだったのでしようが,もう学会と申してもよい位に高級化しており,発表時間も制限されているようです。
われわれ開業医としましては,例えば"治療薬報"の「前車の轍」のような誤診,失敗,成功談や"実験治療"の「半頁ずいひつ」といったような軽い読物も増やして頂きたいと思います。
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