Japanese
English
特集 ICUにおける呼吸管理の問題点
危期における呼吸の調節機序
Respiratory Regulatory Mechanism in the Crisis
高木 健太郎
1
Kentaro Takagi
1
1名古屋大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Nagoya University, School of Medicine
pp.828-833
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202418
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危期においてのみ発現する調節機序が果して存在するだろうか,また,もしあったとしたらそれは"調節"という語で呼ばれるだろうかという疑問がまず生ずる。筆者はそのようなものは存在せず,また.それを調節とは呼ばないものだと考える。恐らく正常においても存在する調節機序が危期においては強調されて出現するものだと考えて筆を進めることにしたい。
また,ひとつには危期(crisis)とは一体何だろうかということである。危期は呼吸器系の疾患,障害でくることもあろうが,この特集にとりあげられたような危期とはそれのみに限らず,あらゆる疾患の最終時期にあらわれる状態をさすのであろう。この内循環器障害が最も大きい原因であろうことは察知できる。それは呼吸と循環とは密接に関連した機能だからである。脳の循環器障害(脳浮腫,脳障害)の場合は呼吸中枢の機能障害を起してくるであろう,肺の場合には肺浮腫,肺鬱血による換気障害がくるであろう。その他多くの原因によって二次的な呼吸障害がくるが,そのときに,生体側ではどのような対応反応がどのようにして起るかというのが筆者に与えられた課題であると考える。
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