特集 屈折異常の進行評価
1 学童の近視進行
四倉 絵里沙
1
,
鳥居 秀成
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
キーワード:
学童近視
,
屈折異常
,
眼軸長
,
近視進行抑制
Keyword:
学童近視
,
屈折異常
,
眼軸長
,
近視進行抑制
pp.217-227
発行日 2024年3月5日
Published Date 2024/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003552
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近年,近視人口はアジアを中心として世界的に増加傾向にあり1)2),特筆すべきはこのわずか数十年で近視人口が急増3)していることである。Holdenら4)は,合計200万人を対象とした145の研究をメタ解析し,2000年時点での世界の近視人口は14億人,強度近視人口は1.6億人と推察されるが,この増加傾向が続くと,2050年には近視(屈折値≦−0.5D)人口は48億人と現在の3~4倍に,強度近視(屈折値≦−5.0D)人口も9.4億人と現在の約6倍になると発表し,全世界に警鐘を鳴らしている。我々も東京都内の小中学生約1,500名の近視の状態,眼軸長を測定したところ,小学生の76.5%,中学生の94.9%が近視である実態が明らかとなり5),また,約300名の未就学児の眼軸長を測定したところ,東アジアに属する中国,台湾,香港と同等か,それ以上に長い傾向にあることが判明6)し,日本の子どもにおいても近視有病率が高くなっていることがわかった。
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