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特集 第10回臨床眼科学会号
一般講演
(2)くりかえし描写の角膜脈波に及ぼす影響
Effect of repeating drawing on corneal pulse wave
大神 妙子
1
Taeko Ogami
1
1東邦大学眼科教室
1Dept. of Ophth. School of Medicine, Toho Univ.
pp.118-122
発行日 1957年2月15日
Published Date 1957/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205922
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緒言
人眼における角膜脈波の描写は,1928年Thielによつて試みられ,その後近年に到つて,植村,川嶋両氏により電気眼底血圧計が考案され,角膜脈波を記録して,その中の圧力脈波より,網膜中心動脈血圧を算出し,又,脈波を数学的に解析する事によつて,網膜血管の性状につき種々の知見を得る等,臨牀的に応用されるに到つた。
電気眼底血圧計による角膜脈波の描写にあたつては,接眼部に連なる加圧桿を以て加圧することに依つて,眼球外壁より眼球内容を通じて眼内血管に圧迫が加わり,搏動を生じ,加圧重量の増加によつて漸次変動する圧力脈波曲線を記録し,その変化により,拡張期並びに収縮期血圧を算出するのである。同一眼に対し,くりかえして脈波描写を行うとき,反復間隔の時間的関係或は回数によつては,眼内血管その他,角膜脈波発生並びに伝達に関与する眼球部分の,加圧による変動が角膜脈波に影響を及ぼす可能性が考えられる。既に眼球加圧によつて,除圧後の網膜血管径に変動を生ずることを飯塚氏が報告して居る。
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