特集 眼科臨床の進歩Ⅲ
アレルギーと眼
眼結核診断に於ける2,3の問題
鹿野 信一
1
1東大医学部
pp.640-645
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202198
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結核と梅毒について
古来臨床医家の関心を強く広くひいている疾患は梅毒と結核にある事は誰も異論はあるまい。1900年前後に於ける種々の眼疾患の原因の統計はそのかなりの%を梅毒が占めている。それはその頃Wassermannの反応が発見された(1906)のであり,之により梅毒の診断が極めて確実に且つ容易に臨床的に下し得られるようになつたからであろうと思う。
所が同じ様に慢性で古くから原因も判つている結核に於ては吾々は残念乍らワ氏反応の如き確実なin vitroの反応をもたない。最も安易な手段は患者の生体の一部である皮膚をかりてするツベルクリン反応である。
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