特集 欧米の公衆衛生事情
イタリヤに於ける結核対策
磯江 驥一郎
1
1結核予防会愛知県支部第一診療所
pp.42-47
発行日 1957年5月15日
Published Date 1957/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201824
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日・伊文化交流促進の意味で,イタリア外務省の好意に依り長沢誠司氏(東京療養所),束村道雄氏(大府荘)と私の3名が8ヵ月間の留学を許可せられた。昨年2月に羽田を出発,長沢氏と私はローマのCarlo forlanini研究所で,束村氏はナポリのprincipi di piemonte研究所で予定の期間を快適に過ごすことが出来た。主なる目的が結核研究におかれていたので,イタリアの公衆衛生全般にわたて知悉する余裕はなかつたし,結核の問題にしても研究所内の生活に大部分の時間が費された為に,公衆衛生的方面について見聞する機会は甚だ乏しかつたので所題の意味に沿い得ないが,文明先進国である欧州各国の中で国情が比較的わが国に近似していると言われるイタリアに於て結核に対する施策及び活動状況を知ることは意味あることなので,短期間の滞在ながら得られた知見を記載して大方の御参考に供したい。
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