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臨床実験
私の試作した平仮名試視力表に就て
Uber meinen"Hirakana Sehtafel"
山地 良一
1
1和歌山医科大学眼科学教室
pp.851-852
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201948
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- Abstract 文献概要
視力検査を行う際に用いる試視力表に就いては,諸氏により種々なものが作られている。この中,私達が小供の頃から親しんできたものは石原忍先生の作られた「万国式片仮名試視力表」であろう。コナルカロフニと配列されたその試視力表中の各行の視標は,視力検査に際して試視力表を見る度に殆んど暗んじている事が思い起される程であつた。この試視力表は視標の選択の正当性,字体の簡潔,そして半田屋の美しい印刷と相俟つて,最も広く用いられたものである。
戦いが終つて,文部省が小学校一年生の教科書に平仮名を採用し,平仮名を片仮名に優先して教えると云う方針を取り始めて以来,片仮名の読める児童は急激に減小し,殊に低学年には極めて稀になつた。この様にして,平仮名試視力表が片仮名試視力表に代る時が来たのである。先ず第一に作られたのが,中村康教授の「万国式平仮名試視力表」である。続いて東大視力班の「ひらがな」視力(検査)表が公にされ,極めて最近に山森昭氏は「六六環平仮名視力表」を作られている。以上は何れも5.0m用であるが,検査距離を短くしたものに大島祐之氏の「3米用視力表」及び著者の「万国式2.5米用試視力表」がある。
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