文庫の窓から
本邦試視力表の種々(その1)
中泉 行信
,
中泉 行史
,
齋藤 仁男
1
1研医会
pp.1758-1759
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901423
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筆者らは,このほど,所蔵の視力表を整理する機会があり,良い機会なので,日本の視力表の種類について調べた。
文字を一定の距離にて読ませて視力を検査する試みはJ.Ayscough(1752),Jean-Baptiste-AlphonseChevallier(1805)らによって行われていたという。人間の視力の良否は常に数値をもって示すのが最良と考えられ,Küchler (Heinrich Küchler,1843)は文字を使用した視力表を発表し,その後,実用に堪える文字の視力表はHermann Snellen(1862)により製作されたといわれている。1888年にはフランス国のランドルト(Edmund Landolt,1846〜1926)氏がスネルレン氏の原理により,今日も国際的に用いられているランドルト氏環を考案した。1909年,ヘス(Carl von Hess,1863〜1923)氏らによって発表された視力表(図7左)が,第11回国際眼科学会の協定に基づいて国際視力表の標準と決められた。それまではこのスネルレン氏式視力表(図1,2)が汎く用いられていたといわれている。
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