特集 眼科臨床の進歩Ⅱ
保護眼鏡に就て
飯沼 巖
1
1和歌山醫科大學眼科
pp.819-826
発行日 1953年11月10日
Published Date 1953/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201638
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我々が物を見る場合,眼に入る光はその物を見るに必要な適當量だけでよく,餘分な,過度に強い光,或は紫外線,赤外線等は眼に入らない方がよい。又風塵,異物等が眼に入ると都合が惡いことは勿論である。何故ならば,之等により,視力を害したり,眼精疲勞を招來したり,種々なる眼障害を起したりすることがあるからである。若しこのようなものが眼に入つて來るとき,何等かの方法で,見る爲に適當な量の光だけを透過し,それ以外の過前の光,有害な光線,更にその他の害作用を爲すもの等を遮斷することができれば甚だ好都合である。
人類は古くより,この爲に,種々なる眼保護具を考按し,使用して來た。例えば,古くネロ皇帝のエメラルドも此の一種と考えられ現在我々の使用しているサン・グラス,熔接用眼鏡,防塵眼鏡防風眼鏡等が夫れであり,防毒面等も,この目的に一部沿つているわけである。
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