特集 眼科臨床の進歩Ⅱ
組織の薄切法—超薄切片の話
池田 一三
1
,
絹笠 秀雄
1
,
藤原 忠
2
1大阪市立醫科大學眼科
2大阪市立醫科大學電子顕微鏡研究室
pp.750-754
発行日 1953年11月10日
Published Date 1953/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201629
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超薄切片法とは厚さ0.1μ以下の切片を作ることであつて,この樣に薄い切片は專ら電子顯微鏡に用いるためのものである。この超薄切片法の研究は歐米においては長足の遙歩をとげ,わが國においても,最初やや立ち遲れの感があつたが,この數年來かなりの進歩を見ている。
現在の光學顯微鏡用切片は大體數μが限度であるから,その數十分の1程度の切片を作るということは,それ程容易なことではないが,電子顯微鏡で充分よいcontrastを保持しつつ50Å程度の解像力を發揮するためには,是非この程度の切片を作らねばならない。そのために特別の工夫を必要とする。われわれはまだ經驗が淺いので適確なことはいえないが,とも角一應の紹介を試みることにしよう。
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