技術講座 病理
薄切の基本と薄切に起因するアーティファクト
梅宮 敏文
1
1千葉大学大学院医学研究院腫瘍病理学
pp.605-609
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101452
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新しい知見
1860年Klebs, T.A.E. によるパラフィン包埋法の開発や1870年His, W. によるミクロトームの発明など,19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて,今日の病理組織標本作製の基礎的技術は完成した.それから130年以上,さまざまなミクロトームが考案され実際に使用されている.日本ではユング型滑走式ミクロトームが主流であり,現在使用しているミクロトームの基本構造は,原形のものとはさほど変わりのないものである.
最近,このユング型滑走式ミクロトームの滑走装置にボールベアリングを使ったミクロトームが普及しつつある.軽く動くボールベアリングの使用は革命的であり,ミクロトームのメンテナンス,薄切による疲労を軽減するものとなるだろう.
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