特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
筋電圖測定
伊藤 忠厚
1
1日本醫科大學整形外科
pp.879-885
発行日 1952年11月15日
Published Date 1952/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201318
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運動は骨骼筋の收縮によつて惹起される事は言をまたない所である。しかしながら,これらの觀察に當つて,特に微細な運動に於ては肉眼的觀察の不可能なる場合が多く,又この場合,如何なる骨骼筋が,これに關與しているかを知る事は難かしい事である。又異常運動が行はれる場合,如何なる筋肉が如何に作用しているか,これらの筋肉が如何なる状態にあるかを知る事は仲々困難な事である。これらの問題に對して1つの解決の道標を與えてくれるものに筋電圖がある。即ち筋電圖は,骨骼筋が如何なる形式にせよ收縮を惹起する場合,これに伴つて現はれる動作電位を誘導記録したものであり,Piperによつて1912年始められたこの研究が,Adrian及びBronkの同心型電極の應用によつて一段と發展をとげ,現在諸外國に於ては,心電圖,腦波と共に,一般開業醫にとつても必要なものとされるに至つて居り,これら筋電圖から其の筋肉の状態を知り,又その背後にある運動神經系の活動状態を知る事が出來,疾病の診斷,經過,治療に對し,重要な補助的な役割を果している。我が國に於いても,最近,時實,津山氏等の基礎並に各種疾患時の筋電圖的研究が急速に發展を遂げ,今や,基礎醫學,臨床醫學,體育,運動,人類,畜産等の各分野にわたつて活發な研究及應用が行はれている。
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