銀海餘滴 新刊紹介
—生井 浩 著—眼疾患とACTH及びCortisone
pp.755
発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201288
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化學療法に次で眼科治療の上に驚異的な效果を示しで來たのが表題のCortisoneである。生井助教授は本書に於て先づACTHとCortisoneの生理作用,抗炎作用を述べ,本劑を用いての動物實驗的研究を綜説し次で臨床的應用を解説している。最後にCortiso-neの全身投與から眼局所應用の事に説き及ぼし點眼,球結膜下注射,球後注射の方法を述べ,虹彩毛樣體炎,汎發性葡萄膜炎,梅毒性角膜實質炎,炎性角膜疾患,其他有效なる治療成績を自家經驗から之を批判している。
私共は兎角效果ある藥劑と言われると,無批判的に飛びついて使用し,色々と其副作用に驚いて一歩後退し,其藥の治效を見かえすのが常であるがCortisoneが漸く一般の注目をあびんとするとき,此樣な指導書の出た事は誠に喜びにたえない處である。Cortisoneを用いんとする眼科醫の一讀をすゝめる。
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