新刊紹介
—川上理一 著—人間遺傳學と眼病との遺傳(醫家叢書)
中村 康
pp.250
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201108
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最近豫防醫學と言うことが旺に述べられている。其と同時に遺傳學の研究も既にされ之に伴つて推理學的研究の發表が尠くない。私共臨床家にとつて六ツ敷い數理を用いての遺傳學程興味の薄いものはないし,又理解し難いものはない。私共は結論がわかるだけで其に到つた經路に就ては然とわからないのである。此私共の貧弱な頭の中を充分知られたのであろう。
川上博士は實に簡明に眼遺傳の實際を書かれている。臨床家として此程度の智識で充分だと思う。優生法でも斷種を許された眼疾患がある。此遺傳形式位は私共常識として持ち合わせる必要がある。川上博士は眼科出であるだけに眼科醫におかるように説明されている。敢えて本書を座右に備え患者より聞かれる結婚相談の智嚢とされんことをすゝめる。
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