綜合医学賞應募論文
正常抗體の遺傳に關する研究
松永 英
1
1東大法醫
発行日 1950年1月15日
Published Date 1950/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905495
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1 まえがき
正常抗體の1種である型的凝集素は遺傳するであろうか。又遺傳するとすれば,果してどの樣な遺傳樣式をとるであろうか。この點に關しては昔から種々の論議がなされており,型的抗體の産生は各人一様で,それが對應する凝集原により吸牧されるとなす1)Bernsteinの抗體吸収説に對し,2)古畑教授の抗體遺傳説があるが,現在では3)Friedenreich,4)Wiener等を初め血液型研究者の殆んど大部分のものは,型的抗體の遺傳説よりも吸收説の方が實際的であるとしている。然しながらそのいづれにせよ,實驗的に證明しようと試みたものは甚だ少い。5)Landsteiner and Levine(1931)は,家兎で抗P凝集素る持つものの子孫には,持たないものの子孫に於けるよりも抗P凝集素の出現頻度が高いことを發見し,6,7,8)Schermer,Kaempffer,Hofferber(1932,1934)は,馬,豚で血清中の型的抗體の遺傳性を論證して,その存在は不存在に對し優性遺博をするとした。
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