臨床實驗
眼科領域に於けるQuinophen使用成績
關 亮
1
1東京醫大眼科
pp.311-312
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200847
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Quinophen(以下Qと略す)は内科領域に於て痛風,ロイマチス,神經痛の特效藥として知られているが,我が眼科領域に於ては内科共に餘り用いていない樣である。我國では京都大學で百々氏が218例の多數の經驗をされて日眼53卷に記載している他には,若月,林,河本の諸氏が用いた文献しかなく極めて寥々たるものである。當眼科教室に於て昭和24年來之が追試を行つた處,或る種の疾患に對し卓效があると認められたので,諸賢の御追試を喚起する意味に於て整理の不備をも顧みず敢て報告する次第である。
Qは1887年Doebner等によつて創製され,1908年Nicolaier等によつて初めて痛風の治療に應用され1911年にはWeintrandが神經痛,ロイマチスに有效なる事を發表している。我が眼科領域で初めて應用されたのは1914年でGiffordが交感性眼炎に用いて好成績を擧げており,1926年にBraunが葡萄膜特に虹彩の炎症に有效なりと述べている。その化學構造はAcidumphenylchinolincarbonicum.帶黄針状の粉末で苦味,水に不溶の性質を有し,ドイツの Schering會社からAtophanと言う名で發賣されたものであるが,こゝでは日本藥局方に從つてQと稱しているのである。藥理作用の第1は血液乃び組識の尿酸量を減少せしめ之を尿に排泄する。第2にプリン代謝の抑制。第3に消炎,鎭痛作用。
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