綜説
頸動脈内注射に就て
淸水 新一
1
1岐阜女醫專眼科
pp.283-288
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200838
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
A.動物實驗
食鹽水や葡萄糖液を動脈内に注射しての實驗的研究はKoppanyi, Poos,松原,schaltenbrand等でなされているがその多くは眼壓,腦脊髓液壓,眼の組織的所見,腦の解剖的や組織的所見などの各個に就てである。
私は0.001〜33%食鹽水,0.005〜50%葡萄糖液,0.004〜20%硫麻液等を主に犬で體重1kgにつき1〜5cc 37℃に温めたものを1分間に5cc内外の速度で頸動脈内に注射して,血壓,腦脊髓液壓,眼壓の變動を追求し,更に眼に臨床的所見を觀察し,次で眼や腦の解剖的並に組織的所見を檢し,之等諸壓の變動状態や諸壓の相互關係を知ると共に眼や腦に臨床的,解剖的,組織的に如何なる變化が起るかを調べ,以て諸壓の變動を來す原因を究め眼壓上昇を主兆候とする緑内障の本態を明かにし,その治療,豫防法を講じ且は頸動服内注射の眼科方面えの應用を企圖したのである。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.