特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
頸動脈注射療法
淸水 新一
1
1岐阜大學眼科
pp.1005-1009
発行日 1952年11月15日
Published Date 1952/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201339
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頸動注では注射液が直に大腦,諸神經幹部,腦下垂體等に行く外,頸毬や洞とも關係があるから注射藥の質的,量的な違とか温度や速度でも全身反應が異り,四肢の動注とも全身血壓,血液像,血清蛋白,E.K.G.,眼壓,腦脊髓液壓や眼の臨床的所見等で差異がある事は既報の通りである。
だが吾々眼科醫が動注をするなら必然的に頸動脈,内頸動脈更には眼動脈という事になるが,腦や網膜の樣に終末動脈では藥物の腦や神經えの特殊作用を除いても栓塞等を起した時影響が大きいから,他部での動注よりも或程度冐險的だという事になる。吾々が此を犯し,患者には首の注射という事で一種の危惧と恐怖の念を抱かせて迄も頸動注をするには,筋肉や皮下は勿論靜注に較べて何か勝つた所,動注でなければ治癒,輕快が困難だとか更には特效を奏するといつた所がなくてはならない。
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