普通講演
(19)若年性緑内障,特に其前房隅角所見に就て
荻野 紀重
1
1前橋大眼科
pp.112-115
発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200784
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第1章 緒言
緑内障は主として老年における疾患であり,若年者には少いが,後者は臨床上種々の點に於て老年のそれとは異るように言われている。即ち若年性緑内障は男子に比較的多く見られ,近視を合併する場合が多い事,屡々遺傳を證明し且つ先天異常を伴う場合が偶々ある等である。然し乍らHaag(9)其他のように若年性緑内障として特に區別出來ないと考える立場の人もおり,未だはつきりしたものとは言われない。最近前房隅角視診法の發達に件い,Barkan(15)は胎生虹彩組織の潰殘を認めて,特に此の所見を強調し,Ellis(17)は若年性線内障の數例に同一の變化を認めたと言い,兩者の共通性に言及している。私は若年性緑内障の10例14眼を臨床的に觀察し,並びに前房隅角視診を行う機會を得たので,茲に報告する次第である。
前房隅角視診法は,庄司教授記念論文集所載の方法(5)により行つた。
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