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緑内障治療のため電気分解術が使用された事は過去の文献に見られるが,殆んどのものが房水産生抑制を目的とした手術方法として用いられている。SchreckのCilio-Cyclo-anolyseなる方法は,一方ではA.ciliarislongaを閉塞して房水産生を抑制し,他方Electrocyclodialyseにより房水流出を促進しようと試みた方法である。我々は前房隅角部と結膜下を結ぶ部分に房水流出路を形成するため電気分解術を試みた。
試作した装置の配線図は第1図に示す通りである。電気分解針としては第2図に示す様なものを使用した。使用した電解針の規格は第1表に示す通りである。此の値は出来上つたものの実測値である。電解針は隅角結膜下の間に幅広い誘導路を作るためのものと,円形のトンネル状の誘導路を作るためのものの2種類に大別出来る。前者は毛様体解離術に電気分解を併用した様なものであり,後者は管錐術に電気分解を併用したものと老える事が出来る。家兎眼を用いて予備実験を試みた。即ち自家血清約0.2ccを前房内に注入して実験的に眼圧を上昇させ,この実験緑内障眼に本法を試みて眼圧の変化状況を調べた。又電気分解術を施した正常家兎眼に就いて盤膜,角膜部に形成された誘導路を組織学的に検査した。更に前房内に注入した墨汁が此の誘導路を通じて眼球外に流出する状況をも調べた。
Experimental studies on galvanocautery to the anterior chamber angle of 10 rabbit eyes are reported. Artificially induced ocular hype-rtension could be normalised by the procedure and development of new outflow channel wh-ich permits passage even of India-ink granu-les was histologically confirmed. The method is expected to become clinically available for the treatment of glaucoma in time to come.
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