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脊椎カリエスの豫後判定に就て
石原 佑
1
1東京警察病院 整形外科
pp.4-11
発行日 1947年8月20日
Published Date 1947/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200228
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緒論
脊椎カリエスに關する業績は甚だ多く,枚擧に遑のない程であるが,吾々専門家に於てさへ,脊椎カリエスに就て幾多の疑問があり,其診斷殊に早期診斷確定,個々の治療方針殊にコルセット裝用の期間,觀血的手術適應の決定,其他各種の點に於て此處に一度大廻轉して考へなほす必要がありはせぬかと考へる點が多々ある様である。
該疾患の豫後に關しても,古來多數の發表があり,凡その見當がつく様であるが,其等の發表では主として,該疾患と併發症特に他臓器の結核合併症とそれによる死亡の統計,唯單に脊椎カリエスの遠隔成績を死亡,治癒等の分類に終止する事が多い。即ち個々の疾患が,それぞれの所見に於て,如何なる經過をたどり,如何なる結果に至るかといふ點,それから歸納される豫後の判定に關する業績に就ては極めて少い樣である。
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