Ⅱ臨牀實驗
増田中心性網膜脈絡膜炎の病理
生井 浩
1
1九大眼科
pp.145-147
発行日 1948年8月20日
Published Date 1948/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200257
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増田中心性網膜脈絡膜炎(漿液性中心性網膜脈絡膜炎)は我々が日常しばしば遭遇する疾患であり,その臨牀症状に就ては,増田氏を始めとし,長谷川,北原氏等の詳細な記載があるが未だ剖檢された例が無く,いろいろの點に疑義がある。檢眼鏡的に認められる黄斑部の圓盤状混濁を上記の諸氏はいずれも網膜下の滲出液によるものとみなしているが,それでは説明のつかない點もある。又,本症に於て凸レンズの裝用によつて視力の増進する理由に就ては,增田,長谷川,石原氏等は,滲出液によつて網膜が提擧され,眼軸が短縮するためであると言い,小口氏及び其の門下は本症に調節痲痺が起つたためだと言つている。
私は最近,本症に罹患して間も無い患者が死亡したので,眼球を摘出して剖檢する機會を得,本症の病理の一端を明かにすることが出來,其の結果臨床上の諸症状を合理的に説明し得たので,ここに報告し批判を得たいと思う。
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