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特集 網膜静脈閉塞の最新治療
網膜静脈閉塞症に対する光凝固治療
Photocoagulation for retinal vein occlusion
﨑元 晋
1
Susumu Sakimoto
1
1大阪大学大学院医学系研究科眼科学教室
pp.1560-1564
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200110
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はじめに
網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion:RVO)に対するレーザー光凝固には,新生血管と黄斑浮腫(macular edema:ME)に対するものの2つの適応がある。網膜中心静脈閉塞症(central retinal vein occlusion:CRVO)の虚血型に対する汎網膜光凝固は血管新生緑内障への進行を抑制し,新生血管を伴う網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)に周辺部光凝固を行うと硝子体出血の発症を予防する作用がある。さらにBRVOによるMEに対する格子状光凝固はMEを抑制する。ただし,以上のことが明らかにされたのは約30年前にさかのぼり,大規模スタディによって示された他の有効な治療法は長らくなかった。現在では抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬がMEに対する治療のfirst lineを担うこととなったものの,その投与期間についてはいまだ検討の余地があり,長期間の注射による患者の負担は重く医療経済的にも大きな課題が残る。現在でも,症例によって光凝固治療の併用は有効であり,その使用法については再度検討されるべきである。本稿では,RVOに対するレーザー治療の考え方について,現在の注射療法にレーザー治療をどのように組み合わせるか,また従来のレーザー治療とは別に試みられているレーザー治療についても紹介したい。
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