Japanese
English
特集 抗VEGF薬をどう使う?
ペガプタニブとベバシズマブの特性と使い方
Characteristic of anti-VEGF therapy and treatment strategy for macular desease using pegaptanib sodium and bevacizumab
本田 美樹
1
Miki Honda
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院眼科
pp.1840-1848
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105025
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
ペガプタニブナトリウム(マクジェン®:以下,ペガプタニブ)とベバシズマブ(アバスチン®)は両者とも血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の阻害薬として開発された薬剤ではあるが,薬剤の性状,開発の経緯,適応症など両者にはさまざまな違いがある。
ペガプタニブは滲出性加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)に対し2008年に日本で承認された核酸医薬品で,その後,糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME)に対して臨床試験が行われたが,その結果は未報告である。しかし,網膜静脈閉塞症(central retinal vein occulsion:CRVO,branch retinal vein occulsion:BRVO),強度近視性脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)などほかの眼科疾患に対しては多くの臨床研究結果が報告されている。一方,ベバシズマブは2004年に初めて転移性大腸癌に対して米国食品医薬局(FDA)で承認された抗VEGF抗体であり,眼科疾患に対しては未承認使用(off-label use)であるが,眼内の新生血管抑制に絶大な効果を示すため,多くの眼疾患に使用されている。
本稿ではペガプタニブとベバシズマブの使用方法と治療効果について,臨床研究結果を含め解説する。なお,使用に関して現在保険適応が認められているのはAMDに対するペガプタニブのみであることを明記しておく。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.