今月の臨床 卵巣がん─最新の治療戦略
初回治療
3.ファーストラインの化学療法
3)ベバシズマブ(bevacizumab)の追加
杉山 徹
1
1岩手医科大学産科婦人科
pp.884-890
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102723
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卵巣癌治療の臨床研究において国際コンセンサスが得られているのは,(1)dose-dense paclitaxel(dd─TXL)と(2)腹腔内化学療法(IP)であり,これに分子標的薬を加えた臨床試験が加速している.現時点で大規模なランダム化試験(RCT)でエビデンスが示されている分子標的薬はベバシズマブのみである.ベバシズマブをTC療法と併用し,さらにベバシズマブでの維持療法を行うことで無増悪生存期間(PFS)の改善が示されたが,全生存期間(OS)の改善はなく,費用対効果が現実的な課題である.
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