特集 図で早わかり 実戦!眼科薬理
Ⅱ.眼科臨床薬理各論
1.外眼部・前眼部疾患
Sjögren症候群
北川 和子
1
1金沢医科大学眼科学
pp.127-131
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104989
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POINT
◎Sjögren症候群は涙腺,唾液腺のリンパ球浸潤を主体とする慢性の自己免疫疾患で,多彩な自己抗体が出現する。その発症には遺伝的要因,ウイルス感染などの環境要因,免疫要因,加齢などが複雑に関与する。
◎眼乾燥,口腔乾燥を主徴とし,中年女性に好発する疾患であり,膠原病に合併する続発性Sjögren症候群と合併しない原発性Sjögren症候群に分類される。原発性Sjögren症候群では涙腺,唾液腺以外の全身多臓器の病変(腺外病変)が半数にみられ,一部の症例では悪性リンパ腫を発症する。
◎内科,歯科・口腔外科と連携して診断・治療にあたることが望ましい。口腔乾燥にはムスカリンM3受容体作用薬の全身投与が適応となる。
◎Sjögren症候群における眼乾燥の治療は通常のドライアイと同様であるが,Sjögren症候群ではより重症である場合が多く,障害が高度であれば積極的に涙点閉鎖を治療の選択肢とする。
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