今月の主題 膠原病—最新の知識
診断・治療
Sjögren症候群
山県 元
1
Hajime Yamagata
1
1国立霞ヶ浦病院・内科
pp.1576-1577
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219212
- 有料閲覧
- 文献概要
シェーグレン症候群(Sjs)は,1933年Henrik Sjögrenにより報告された,涙腺と唾液腺の分泌低下を特徴とする慢性炎症性疾患である.RA, SLEなどの結合織疾患の他,慢性甲状腺炎,原発性胆汁性肝硬変症など,自己免疫疾患を合併することが多く,各種の自己抗体が血中に検出されることから,自己免疫疾患としても分類されている(表1).一方,近年,本症の基本的な病態が系統的な外分泌の炎症として理解されるようになってきており,そのため,外分泌腺の分泌低下のみ認められる乾燥症候群(sicca complex)を中心に,リンパ網内系組織,腎,筋,肺などのリンパ球浸潤を主体とする病変(腺外症状)を伴う症例,さらにわが国では稀な悪性リンパ腫合併例,また結合織疾患を伴う例と,分けられるようになった.以下乾燥症状を中心に述べることとする.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.