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連載 眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・34
―臨床編:各種眼疾患と生理活性物質とのかかわり―アレルギー性結膜炎
Allergic conjunctivitis
中澤 満
1
Mitsuru Nakazawa
1
1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座
pp.1462-1464
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104386
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はじめに
アレルギー性結膜炎には急性炎症である季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎,そして慢性炎症であるアトピー性角結膜炎,春季カタルおよび巨大乳頭結膜炎とが知られている。これらの疾患に共通する炎症反応は,前回ご紹介した2型ヘルパーT細胞(Th2)が優位の免疫反応である。Th2は体液性免疫を促進する反応に関与する。これらのアレルギー性結膜炎に共通する体液性免疫の主役をなすのはIgE抗体とIgE抗体の受容体を表面に発現させている肥満細胞であり,さらには活性化された肥満細胞から分泌されるサイトカイン,ケモカインによって誘導される好酸球である。そしてその影響を受けるのは結膜上皮細胞と結膜下の線維芽細胞ということになる。これらの細胞どうしの情報伝達にはもちろん,生理活性物質が多数働いている。
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