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連載 眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・30
―臨床編:各種眼疾患と生理活性物質とのかかわり―角膜血管新生
Corneal neovascularization
中澤 満
1
Mitsuru Nakazawa
1
1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座
pp.794-797
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104228
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はじめに
角膜には生理的に血管やリンパ管などの脈管系が存在しない。これは物を見るという眼球の基本的機能にとって必須であるばかりでなく,一方で角膜移植後の拒絶反応が起きにくいという免疫学的寛容といわれる現象においても重要な要素となっている。しかし,角膜にさまざまな内因性や外因性の炎症や変性,損傷が起こったときには輪部から血管新生が起こることはよく知られた事実である。日常臨床でよくみる角膜新生血管には角膜パンヌス,各種感染性角膜炎(特にヘルペス角膜炎など),春季カタル,翼状片,Terrien角膜変性,角膜移植術後,無虹彩症,眼類天疱瘡,Stevens-Johnson症候群などが代表的である。今回は,この角膜血管新生やリンパ管新生にかかわる生理活性物質に焦点を絞ってみる。
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