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連載 眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・27
―臨床編:各種眼疾患と生理活性物質とのかかわり―角膜上皮創傷治癒
Healing of corneal epithelium
中澤 満
1
Mitsuru Nakazawa
1
1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座
pp.250-253
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104107
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はじめに
角膜は涙液を介して外界と接している眼組織であるため,外界から受ける物理的,化学的および生物学的な侵襲にさらされる危険性が高い。特に角膜上皮はさまざまな刺激により表面が傷害され,角膜びらんとなりやすい。これに対応して上皮の基底細胞さらには輪部の幹細胞が分裂増殖することで,上皮の欠損部を修復する機構が備わっている。そしてその反応には種々の生理活性物質がかかわっていることが知られている。
角膜上皮の創傷治癒と生理活性物質の作用については西田輝夫先生とその研究グループによる一連の研究により多数の知見が報告されており,その内容は成書『角膜テキスト』1)にまとめられている。本編では『角膜テキスト』を参照しつつ,筆者なりの理解で角膜上皮創傷治癒について,前号の涙液に引き続きまとめてみた。
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