話題
エンドユーザコンピューティングを活用した一般病院眼科の電子化
若宮 俊司
1
,
半田 直子
2
,
新免 上嗣
2
,
桐生 純一
1
1川崎医科大学眼科学教室
2津山中央病院眼科
pp.1252-1253
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104334
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医療者自らなぜ電子化を行ったのか
2005年に日本眼科学会は眼科の電子化に関する望ましいあり方を示したが,必ずしもそれに従った電子化が行われるとは限らない。
津山中央病院では,1999年にPDFファイルで診療記録の保存を行う独自の電子カルテ(CTC社)が導入されたが,眼科の部門システムとしては,視力,非接触型眼圧計による眼圧(以下,ノンコン),限界フリッカ値(critical flicker frequency:以下,CFF),メモ書きを電子カルテに保存する検査用インターフェースが病院エンジニアにより作製されたのみで,その他はすべて全科共通の電子カルテ機能が用いられていた。そのため検査のほとんどは紙に記載,あるいは印刷を行ってスキャナで取り込む必要があった。眼科の電子化が十分に整わなかった背景には2004年に常勤医が不在となり,その後2010年9月まで非常勤医のみで診療を行っていたという事情がある。2009年の時点では眼科部門システム導入の見込みがなかったため,筆者らは眼科検査の電子化を自らの手で行うことにした。作業途上の2010年4月には眼底カメラが,2010年10月には光干渉断層計(optical coherence tomograph:以下,OCT)が病院により電子カルテと接続された。
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