今月の表紙
Fabry病(渦状角膜混濁と網膜血管の蛇行)
山口 純
1
,
鈴木 康之
2
1北里大学病院
2東海大学八王子病院
pp.793
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104227
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症例は19歳,女性。2011年2月,当院遺伝診療部よりFabry病の眼科的所見の精査目的で紹介され受診した。初診時の視力は右(1.2),左(1.2),眼圧は右15mmHg,左14mmHgであった。前眼部所見として,角膜上皮下に渦状の特徴的な混濁がみられた。結膜血管の拡張や蛇行,白内障は認められなかったが,眼底に網膜血管の蛇行がみられた。これらの所見は両眼ともに観察された。写真は初診時のものであるが,初診時から約10か月後の診察では,渦状角膜混濁はやや変化していたものの視力・眼圧は変わらなかった。
前眼部写真はTOPCON社製スリットランプSL-D7にNikon社製デジタルカメラD300を搭載したもので,角膜の全体像を記録するために強膜散乱法を用いて撮影した。角膜全体が浮かび上がるように照明の状態をよく観察し,最も病態が明るくなる位置にスリット光をシフトさせた。また,渦状角膜混濁は非常に淡い混濁なので撮像感度(ISO感度)をISO800相当に上げて撮影した(通常はISO400相当で撮影)。カラー眼底写真はKowa社製眼底カメラRC-XV3にて,網膜血管が蛇行している様子がわかるようにピント合わせをした。
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