これからの緑内障診療のために「高齢者とドライアイ」
②マイボーム腺機能不全とドライアイ
三笘 香穂里
1
1広島大学大学院医系科学研究科視覚病態学 診療講師
pp.50-53
発行日 2021年4月30日
Published Date 2021/4/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.61_0050-0053
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ドライアイは,日本のドライアイの定義と診断基準の改訂(2016年版)より「さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり,眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害を伴うことがある」と定義されている.涙液は液層(ムチン含む)とその表面を覆う油層からなっており,そのどこかに異常が生じると涙液の安定性の低下に繋がる.ドライアイの有病率については文献によって幅があるが,日本では60歳以上の73%がドライアイとの報告もあり,加齢とともに有病率が上がることが確認されている1).加齢によって涙液分泌量自体低下し,その他にも涙液の安定性低下に繋がるさまざまな変化が起きてくるが,本稿ではそのなかでも特に油層の異常に繋がるマイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction:MGD)とドライアイについて述べたい.
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