増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
2.眼表面・角膜疾患
2)診断・治療
マイボーム腺機能不全の診断と治療
有田 玲子
1
1伊藤病院
pp.74-78
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212881
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以前の常識
●マイボーム腺機能不全(MGD)の診断は眼瞼縁の所見,マイボーム腺分泌脂(meibum)の色や粘度など,検者の主観や熟練に頼るものが多く,検者によるばらつきが大きかった。
●MGDの治療はステロイド眼軟膏,抗菌薬眼軟膏,人工涙液点眼など対症療法が中心に処方されてきたが,長期的に効果を実感できるものがほとんどなく,患者の満足を得られないことが多かった。
現在の常識
●MGDの診断はマイボグラフィ(マイボーム腺の形態観察),インターフェロメトリー(涙液油層観察)の出現により客観的に再現性高く診断することができ,検者によるばらつきが減少した。治療効果のモニタリングも可能となった。
●MGDの治療は温罨法やリッドハイジーンの有効性を示すエビデンスが次々と示され,“脂が足りないタイプ”のドライアイをターゲットにした治療法が次々とリリースされ,根治を目指すものとなっている。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2023年10月)。
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