特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
2 眼表面・角膜疾患
スペシャルレクチャー
シリコーンハイドロゲルを用いたソフトコンタクトレンズ
岩崎 直樹
1
1イワサキ眼科医院
pp.163-164
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103929
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シリコーンハイドロゲルレンズの長所と短所
シリコーンハイドロゲルを用いたソフトコンタクトレンズ(silicone hydrogel contact lens:SHCL)とは,シリコーンを含有する高酸素透過性,低含水率のソフトコンタクトレンズ(soft contact lens:SCL)である。従来素材のSCLは素材に含まれる水の率,すなわち含水率が上がるほど酸素透過係数Dk値が上昇する。それに対してSHCLでは全体にDk値が高いうえに,含水率が下がるほどDk値が上昇する(図1)。そのため,商品化されているSHCLでのDk値は80~150と,従来素材の20前後よりずっと高い。また,含水率が低ければSCL表面からの水分蒸発が少なく,より乾燥感が少ないという特徴を持っている。
その裏返しとして,素材が硬く異物感が出ることがある。また,そのままでは素材が疎水性で水を弾いてしまい,SCLが曇ってしまうため,何らかの表面処理を必要とする。
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