今月の表紙
シリコーンオイル前房貯留
山口 純
1
,
坂本 泰二
2
1北里大学病院
2鹿児島大学
pp.1669
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103360
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症例は41歳男性。2004年11月に左眼の裂孔原性網膜剝離に対して,白内障併用硝子体手術時にシリコーンオイルタンポナーデを施行した。術後1か月目以降は通院を自己中断し,見づらさを主訴に再受診したのは初回手術から4年後の2008年12月であった。再受診時の視力は左0.09(0.2)で,前房中に乳化したシリコーンオイルを認め,眼圧も28mmHgまで上昇していた。網膜は復位していたため前房および硝子体中のシリコーンオイルを抜去した。術後視力は(0.9)まで回復し,眼圧も13mmHgと安定した。
撮影はTOPCON社製スリットランプSL-D7にNikon社製デジタルカメラD2xを取り付けて行った。耳側30°から0.5mm幅のスリット光をあて,上方の乳化シリコーンオイルのディテールを出すためフラッシュレベルを通常よりも3段階下げて撮影した。中央部から下方にかけて浮遊しているシリコーンオイルも記録するために,スリット幅,光量の調整に注意した。また,病態を際立たせるために背景照明を消して撮影した。
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