特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
2 眼表面・角膜疾患
スペシャルレクチャー
人工角膜の臨床応用
森 洋斉
1
1宮田眼科病院
pp.159-161
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103928
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はじめに
人工角膜は,複数回の移植片不全症例や重症な瘢痕性角結膜上皮症など,通常の全層角膜移植術(penetrating keratoplasty:PKP)では良好な予後が期待できない症例に対して臨床使用されてきた。以前の人工角膜は,脱落や周辺組織の融解,感染性眼内炎,緑内障など重篤な術後合併症を短期間で起こすことが多かったため,普及しなかった。しかし,素材・デザインや術式の改良を重ねることで,術後合併症の頻度は徐々に減少し,良好な術後成績が報告されている。
現在,本邦で主に使用されている人工角膜は,Boston Keratoprosthesis(以下,Boston KPro),Alpha CorTM,歯根部利用人工角膜Osteo-odonto-keratoprosthesisの3種類があり,本稿ではBoston KProについて紹介する。
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