文庫の窓から
『内外傷弁惑論』
中泉 行弘
1
,
林 尋子
1
,
安部 郁子
1
1研医会
pp.1356-1358
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103809
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後世派の起源,李東垣
今回は李東垣(1180-1251)の『内外傷弁惑論』を取り上げる。わが国では,江戸時代に至って後世派と称する医家の集団ができるが,その源となるのはこの李東垣と朱丹渓のいわゆる「李朱医学」である。服部敏良『室町安土桃山時代医学史の研究』(参考文献1)第5章には「当代医学の概況」として,次のように述べられている。
「従来の医学は,ただ症状を知り,これに適合する治方を挙げると言うきわめて単純な局方医学に依存し,医師自らが経験し,勘案して治療するごときことはほとんどみられなかった。
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