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あとがき
中澤 満
pp.584
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103636
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『臨床眼科』4月号をお送りいたします。新年度が始まり,慌ただしくも新しい職場で勤務されておられる方,新しいスタッフを迎えられて新鮮な気分でお仕事を継続されている方も多いことと思います。
今月は第64回日本臨床眼科学会の講演原著の第2弾であり,いよいよ本格的な掲載が始まりました。なかなか興味深い報告が多く,勉強になります。抗VEGF抗体薬や抗緑内障点眼薬による眼底血流への影響が,近年大幅に改良されたレーザースペックル法によって評価されるようになりました。本検査法の位置づけが今後どのように変遷してゆくかはまだ不明ですが,本号に掲載された報告などによる新しい知見の集積が今後さらに増えることが期待されます。また,最近は酸化ストレスと疾患や老化現象との関係が注目されるようになってきました。本号ではアスタキサンチン経口服用で前房中の過酸化物質が有意に低下したとする橋本浩隆氏の研究報告があり,注目に値するものと思います。実際にヒトを対象にアスタキサンチンを2週間服用してもらい,白内障手術時に前房水を採取して計測した研究で,新しい知見であると思います。さらに注目に値するものとして,田邉美香氏らによる眼窩筋円錐内腫瘍の経涙囊アプローチによる摘出術の症例報告があります。筋円錐内腫瘍というと摘出術を施行するのは少しばかり躊躇することが多いのですが,本症例報告は今後の新しい手術の選択肢を提供するものとして評価されるのではないでしょうか。
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