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特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(3)
特別講演
OCTによる視細胞外節病変の観察
Photoreceptor outer segment diseases on optical coherence tomography
岸 章治
1
Shoji Kishi
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態循環再生学講座眼科学分野
pp.657-665
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103172
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視細胞外節は光を電気信号に変換する場所で,視力の根源をなす。このため外節の障害は視機能に鋭敏に反映される。しかし,外節病変は検眼鏡では見ることができない。スペクトラルドメイン光干渉断層計の登場により,視細胞内節・外節接合部(IS/OS)は高反射ラインとして,外境界膜と網膜色素上皮から分離して観察できるようになった。これに視力,視野,多局所網膜電図を組み合わせることで,外節の機能を評価できる。この結果,視細胞外節を場とするさまざまな疾患があることが明らかになってきた。
視細胞外節は代謝が盛んで酸化ストレスにさらされている。その先端は網膜色素上皮に貪食され,10日間で一新する。また網膜の神経細胞はMüllerなどのグリア細胞によって守られているが,外節は網膜下腔に突出している。これらの外節の特異性が外節病の背景にあると考えられる。
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