今月の表紙
視細胞の内節外節接合部(結合線毛)走査電子顕微鏡写真
杉田 新
1
,
中澤 満
2
1おおつか杉田眼科
2弘前大学
pp.1198
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212804
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- 文献概要
視細胞の内節と外節は結合線毛と呼ばれる1本の線毛で結合している。本図は家兎の視細胞内節外節接合部を割断して走査電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)で見たもので,内節(図の上)と外節(図の下)は1本の線毛で結合しているのがよくわかる。外節は光受容器で,発生学的には,結合線毛の先端が変形,分化して形成されたものである。本図では一部,内節エリプソイドのミトコンドリアの割断面が観察される(なお,本稿の写真は筆者の著書『眼の神秘 SEMアトラス』からの転載である)。
本図は樹脂冷凍割断法を改良したオスミウム-DMSO-オスミウム法を応用して視細胞の内節外節結合部をSEMで観察したもので,内節と外節を結合する1本の線毛の表面形態と内節,外節との3次元的位置関係がよくわかる。今回の写真撮影に使用した検査機器はフィールドエミッションSEM,日立「HFS-2」(分解能は3ナノメーター)で,写真倍率は約3万2千倍である。
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