特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて
Ⅱ.治療編
2.薬物療法
各種点眼薬の使い分け
相良 健
1
1山口大学大学院医学系研究科眼科学
pp.228-230
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102954
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現在の第一選択薬はプロスタグランジン関連薬
現時点での緑内障点眼治療にはプロスタグランジン関連薬が第一選択薬として用いられることが多い。強力な眼圧下降を有すること,点眼回数が1日1回であること,全身的な副作用がみられないことが支持を得ている理由と考えられる。また大規模臨床比較試験のEarly Manifest Glaucoma Trial1)での眼圧を1mmHg低くすると視野進行危険率が10%抑えられるという報告,Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study2)での眼圧が比較的低い緑内障でも眼圧下降治療が視野悪化抑制に有効であるという報告などから,「眼圧はより低く」という意識が徹底されてきたことからプロスタグランジン関連薬の選択に拍車がかかっていると想像される。詳細は他項に譲るが,プロスタグランジン関連薬は原発開放隅角緑内障以外の病型にも有効であることから,プロスタグランジン関連薬以外の薬剤を第一選択として用いるのは,プロスタグランジン関連薬による副作用が懸念される場合のみということになる。
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