連載 Check & Step Upシリーズ 剤形別くすりの知識・10
点眼薬
山田 安彦
1
1東京薬科大学薬学部臨床薬効解析学教室
pp.78-82
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100274
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今回は,点眼薬について概説します.点眼薬は,眼のみに作用する薬というイメージがありますが,実は点眼薬により全身性の副作用を起こすものもあり,適正な使用をすることが必要です.
点眼薬にはいろいろな剤形がある?
点眼薬には,大きく分けて点眼液と眼軟膏があります.点眼液には,通常の点眼液のほかに,用時調製点眼液,懸濁性点眼液,油性点眼液,持続性点眼液等があります.用時調製点眼液は,液体では安定性が悪い薬物に用いられ,錠剤あるいは細粒剤などを水溶液に溶かして用いる点眼液です(カタリン(R)K等).調製後すみやかに用いなければなりませんので,使用期限を守ることが重要です.懸濁性点眼液は水に難溶の薬物の点眼液で,用時振盪して用います(フルメトロン(R)等).油性点眼液は油性の溶媒を用いたものです(テトラゾール(R)油性点眼・点耳液等).持続性点眼液は,点眼後に温度やイオンによってゲル化して,効果を持続させるように工夫された点眼液です(チモプトール(R)XE,リズモン(R)TG等).このように,点眼薬にはいろいろな種類がありますので,それぞれの特徴に合わせた使用法が不可欠です.
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