今月の表紙
網膜ドルーゼン
千嶋 淳子
1
,
江本 宜暢
1
,
坂本 泰二
2
1亀田総合病院眼科
2鹿児島大学眼科
pp.857
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102736
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症例は64歳女性。検診で網膜神経線維束欠損を指摘され,精査目的で2007年8月12日当科初診となった。初診時,夜盲を含めて自覚症状はなく,視力は右(1.5),左(1.5),眼圧は右12mmHg,左13mmHgであった。両眼に軽度の白内障があるほか,中間透光体に異常はなかった。眼底は両眼とも後極網膜中心に無数の白点があり,蛍光眼底造影検査では白点部に一致して粗糙な過蛍光がみられた。視野は正常,色覚検査にも異常はなかった。全視野刺激網膜電図でも異常所見はなかった。以上から網膜ドルーゼンと診断し経過観察中であるが,視力を含め著変はない。
この写真はKOWA社製の眼底カメラVx-10iを用い,画角50°で撮影した。ファインダーを覗いたとき,多くの白点が眼底全体に存在していたため,撮影部位に対し瞳孔中央からワーキングディスタンスの位置とフォーカスを合わせ,鮮明に撮影できるよう心がけた。散瞳・固視ともに良好であったこと,観察照明光は必要最低限の光量で被検者への負担を減らせたこと,撮影部位を均一に照明できたことでコントラストのよい撮影が可能となった。
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