Japanese
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特集 未熟児網膜症診療の最前線
強膜バックリング手術
Scleral buckling procedure
初川 嘉一
1
Yoshikazu Hatsukawa
1
1大阪府立母子保健総合医療センター眼科
pp.146-150
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102597
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はじめに
強膜バックリング(scleral buckling procedure:SBP)は,牽引性網膜剝離をきたしたstage 4の重症未熟児網膜症に対する基本的な手術法として従来から用いられてきたことは以前に報告したとおりである1)。近年,stage 3の未熟児網膜症に対する早期手術が一般的になってきているが2),近年stage 4A,4Bの重症未熟児網膜症に対しても早期硝子体手術(pars plicata vitrectomy:PPV)やLSV(lens sparing vitrectomy)の有効性が報告されてきている3~9)。しかし,牽引性網膜剝離を発生した重症の未熟児網膜症に対して,増殖組織の再発をきたさないような精度の高い硝子体手術を行うことは,未熟児網膜症を扱う多くの病院ではきわめて困難である。本稿では,網膜剝離をきたした未熟児網膜症に対して,これまで行われてきたバックリング手術の有効性と限界について検討したい。
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